配送料金の値上げに備える|コスト構造を見直すチェックポイント

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配送料金の値上げに備える|コスト構造を見直すチェックポイント

配送料金の値上げに備える|コスト構造を見直すチェックポイント

「次の値上げが来たら、商品価格を上げるしかないのだろうか」と考えたことはありませんか。

配送料金は上がる方向にあります。2024年10月にはゆうパケットが改定され、ゆうパックや宅急便も段階的に値上げされてきました。クリックポストは2022年7月に198円から185円に値下げされましたが、これは例外的な動きです。全体の流れとしては、物流コストは上昇傾向にあります。

値上げが発表されてから慌てるのではなく、今のうちにコスト構造を棚卸ししておくことが大切です。この記事では、発送にかかるコストの洗い出しと、商品価格を上げずに値上げを吸収するための考え方を整理します。


「1個あたりの送料」だけを見ていませんか?送料185円の周りに梱包材費・作業時間・入力ミス・再送コストが隠れている
「1個あたりの送料」だけを見ていませんか?送料185円の周りに梱包材費・作業時間・入力ミス・再送コストが隠れている

送料だけを見ていると判断を誤る

「1件あたりの送料」だけでは全体が見えません

配送コストというと、まず頭に浮かぶのは「1件あたりの送料」です。クリックポストなら185円、ゆうパケットなら250〜360円。この数字だけを比較して配送手段を選んでいる方は多いと思います。

しかし、実際に1件の発送にかかるコストは送料だけではありません。梱包資材の費用、発送作業にかかる時間、入力ミスによる再送のコスト。これらを合算した「1件あたりの発送コスト」で考える必要があります。

下げにくいコストと工夫で下げられるコストの比較。配送料金は固定だが、梱包材費・作業時間・ミスやトラブル費は改善の余地がある
下げにくいコストと工夫で下げられるコストの比較。配送料金は固定だが、梱包材費・作業時間・ミスやトラブル費は改善の余地がある

見えにくいコストほど改善の余地があります

送料は配送サービスの料金表で決まるため、自分で下げることは難しいです。一方、梱包資材のコストや作業時間は、工夫次第で削減できる部分です。値上げに備えるとは、送料が上がっても全体のコスト増を最小限に抑える準備をしておくことです。


コスト構造見直しチェックリスト。梱包費・配送料・作業時間コスト・ミスやトラブル費の4項目を確認
コスト構造見直しチェックリスト。梱包費・配送料・作業時間コスト・ミスやトラブル費の4項目を確認

コスト構造の棚卸しチェックリスト

以下の4つの項目を、それぞれ「1件あたりいくらかかっているか」で書き出してみてください。

1. 梱包コスト

項目確認するポイント
封筒・箱まとめ買いしているか。1枚あたりの単価を把握しているか
緩衝材使いすぎていないか。商品に対して適切な量か
テープ・シール小さなコストだが、件数が多いと積み上がります
ラベル用紙インクジェット用紙の単価。A4を分割して使うか、ラベルシールを使うか

私の場合、TRRSケーブルやレジンキーキャップを発送しているのですが、以前はクッション封筒を1枚30円ほどで購入していました。まとめ買いに切り替えたところ、1枚あたり約18円に下がりました。月50件発送で月600円、年間7,200円の差になります。梱包資材の見直しについては、梱包資材のコストを最適化する|封筒・段ボール・緩衝材の選び方でも詳しく書いています。

2. 送料

現在使っている配送サービスの料金を改めて確認します。

配送サービス現行料金備考
クリックポスト185円2022年7月に198円→185円に改定
ゆうパケット(1cm以内)250円2024年10月改定
ゆうパケット(2cm以内)310円2024年10月改定
ゆうパケット(3cm以内)360円2024年10月改定
定形外郵便(50g以内)140円追跡なし

もし複数の配送手段を使い分けている場合は、月間の利用比率と加重平均の送料を計算しておくと、値上げ時のインパクトを試算しやすくなります。

3. 作業時間コスト

発送業務に使っている時間を、工程ごとに記録してみてください。

工程時間の目安(10件あたり)
注文データの確認・CSVエクスポート5分
クリックポストで支払手続き10分
ラベル印刷・梱包・投函20〜30分
追跡番号のShopify反映手入力の場合5〜10分
発送通知メールの送信手動の場合5分

自分の時給を仮に1,500円とすると、10件の発送に45分かかれば1,125円。1件あたり約113円の人件費です。送料185円と合わせると、1件あたり約300円のコストになります。

毎日の発送業務で自分自身がクリックポストを使い続けている中で実感するのは、作業時間のコストは件数が増えるほどじわじわ効いてくるということです。月30件なら気にならなくても、月100件を超えてくると、送料そのものより作業時間のコストの方が大きくなる場面が出てきます。

4. ミス・トラブルのコスト

発送ミスや配送トラブルの頻度と、それにかかるコストも把握しておく価値があります。

ミスの種類発生頻度の目安1件あたりのコスト
住所入力ミスによる返送月1〜2件(手入力の場合)送料×2+作業時間
追跡番号の貼り間違い稀だがゼロではありません問い合わせ対応時間
配送事故・紛失月0〜1件商品原価+再送料+対応時間

ミスのコストは発生頻度が低いため見過ごしがちですが、1件の再送で数百円〜数千円のコストが発生します。ミスを減らす仕組みを持つことは、間接的にコスト削減になります。


送料が値上げされたときの対応策

商品価格を上げずに吸収する方法

値上げをそのまま商品価格に転嫁するのは最終手段です。その前に、以下の方法で吸収できないかを検討します。

梱包資材のコストダウン

  • まとめ買いで単価を下げる
  • 過剰な緩衝材を見直す
  • 規格に合った最小サイズの封筒に切り替える

作業時間の短縮

  • CSVの一括処理で入力作業を減らす
  • 追跡番号の手入力をなくす
  • 梱包の手順を標準化する

ミスの削減

  • 住所データの手入力を減らし、コピー&ペーストやCSV連携を使う
  • 追跡番号の反映を手作業からツールに切り替える

値上げ幅のシミュレーション

仮にクリックポストが185円から200円に値上げされた場合の影響を試算します。

月間発送件数値上げ前(185円)値上げ後(200円)月間差額年間差額
30件5,550円6,000円450円5,400円
50件9,250円10,000円750円9,000円
100件18,500円20,000円1,500円18,000円

月100件の発送で年間18,000円の増加です。逆に言えば、梱包資材の見直しと作業時間の短縮で年間18,000円分を削減できれば、商品価格はそのまま維持できます。

私の場合、梱包資材のまとめ買いだけで年間7,200円を削減できました。残りの10,800円は、追跡番号の手入力をなくすことで毎月の作業時間を短縮し、十分に吸収できる範囲でした。


よくある疑問

Q. クリックポストもいずれ値上げされますか?

将来的な料金改定は予測できませんが、クリックポストは2022年7月に198円から185円に値下げされた実績があり、他のサービスとは異なる動きをしています。ただし、郵便料金全体の改定に連動する可能性はあるため、備えておくに越したことはありません。

Q. 配送手段を変えた方がいいタイミングはいつですか?

値上げが正式に発表されたタイミングと、商品ラインナップが変わったタイミングの2つです。また、月間の発送件数が30件を超えてきたら、1件あたり数十円の差が月に数千円の違いになるため、配送手段の比較検討をおすすめします。

Q. 作業時間を減らす具体的な方法はありますか?

発送業務の中で最も時間がかかりやすいのは、追跡番号の手入力とCSVデータの手動作成です。CSVエクスポートの効率化と、追跡番号の一括反映だけでも、1回の発送作業で10〜20分の短縮になります。


まとめ

配送料金の値上げに備えるには、送料だけでなく、梱包費・作業時間・ミスのコストまで含めた「1件あたりの発送コスト」を把握しておくことが重要です。

送料は自分でコントロールしにくい部分ですが、梱包資材の見直し、作業時間の短縮、ミスの削減は自分の工夫で改善できます。値上げが発表されてから慌てるのではなく、今のうちにコスト構造を棚卸ししておけば、次の値上げにも落ち着いて対応できます。

クリックポストでの発送コストを見直したい方で、CSVエクスポートから追跡番号の反映まで効率化したい場合は、瞬時に発送!for クリックポストを試してみてください。

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